30代と50代ではどう違う?オーダースーツの選び方とおすすめの着こなし術
スーツの着こなし
2022.5.28
目次
重要な仕事を任される機会が増える30代は、オーダースーツで着こなしにこだわりをプラスしましょう。スーツ1着で人の印象は大きく変わります。スーツによって自分をブランディングすることで、「信頼できそうな人だな」「真面目で誠実な雰囲気がある」「落ち着いた雰囲気で安心できる」など、好印象を抱いてもらいやすくなります。
また、中堅を経て多くの部下を抱える50代にもオーダースーツは好適なアイテムです。堂々とした雰囲気を演出したり、発言に説得力を持たせたり、信頼性を高めて相談しやすい空気感を纏わせたりと、培ってきた知識や経験を裏づけるような佇まいをオーダースーツが後押ししてくれます。
そこで今回は、30代のスーツの相場、30代に似合う色や柄、おすすめのスーツ生地、コーディネートなどについてご紹介します。オーダースーツに興味がある方、スーツ選びや着こなしのポイントを知りたいという方は、ぜひご覧ください。
なぜ30代や50代のビジネスパーソンにオーダースーツはおすすめなのか?
30代は社会人としてのキャリアが着実に進み、ビジネスマンとしての自己表現が求められる時期です。そんな30代のビジネスマンは、周りに与える印象も大事になりますので、きちんとした身だしなみにも気をつける必要があります。
また、50代は会社における重要な位置づけになり、部署や働き方によっては会社の顔となります。社内外で注目されることも多くなり、憧れを抱く部下も増えていることが予想されます。仕事ができるというのは前提ですが、自分をどう見せるのか、どんな印象を持ってもらいたいのか、自分をとおして若手にどう夢を与えるのかも中堅以上になる50代の役割といえるでしょう。自分の価値を高める意味でも細かなところまで身だしなみを意識することが求められるのです。
そのような30代や50代のビジネスマンが着用するスーツについて、おすすめするのがオーダースーツです。スーツは自分の体形に合わせたサイズ感が最も大事となりますので、オーダースーツであれば、一人ひとりの体形に合わせたスーツを作ることができます。
今まで、既製品のスーツしかもっていなかった人もジャストサイズのオーダースーツに変えることで、社内や取引先にも、頼もしくすてきな印象を与えることができることでしょう。
オーダースーツの相場
日ごろからスーツを着用する30代や50代のビジネスパーソンなら、4万円〜7万円ほどの価格帯のスーツがおすすめです。
似たような色や柄、シルエットのスーツでも、生地や縫製によって価格帯は変わります。質の良いスーツは着心地が良く、身に纏ったときの雰囲気にも品があるため、ふだんの仕事はもちろん、重要なプレゼンや商談、取引先との顔合わせなどにも重宝します。
なお、オーダースーツの種類によってもできることや価格帯がちがいますので、それぞれの特徴と相場をご紹介いたします。
パターンオーダー
パターンオーダーは、“ゲージ”と呼ばれるサンプルを試着して自分のサイズを探し、そこから着丈や袖丈などを調整する仕立て方法です。既製のサイズやシルエットをベースに作るため、標準体型の方におすすめで、オーダースーツの中でも値段はリーズナブルといえます。相場は2万円〜7万円ほどで、既製品のスーツとほぼ変わらない値段で作ることができます。
イージーオーダー
「既製品のサイズに体型が合わない」という方は、イージーオーダーがおすすめです。一人ひとりの型紙は作らず、縫製工場が所有する型紙に修正を加えて自分のサイズに調整。マシンメイドで仕上げるため、手作業の多いフルオーダーよりも値段を抑えられます。相場は4万円〜20万円ほどです。
なお、「HANABISHI (花菱)」ではイージーオーダーを採用しています。
フルオーダー
フルオーダーは、一人ひとりの体型に合わせて型紙を作ります。本格的な仕立てに入る前に仮縫いを繰り返して微調整を行うため、サイズやデザインなどを細かく修正できます。体にフィットする理想的な一着を作ることができますが、職人による手作業が多く、時間も手間もかかります。オーダースーツでは最も値段が高く、相場は20万円〜100万円以上(上限なし)です。
以下のコラムではオーダースーツの種類について詳しく紹介しています。
30代・50代に似合うオーダースーツの色や柄、シルエット
スーツを選ぶ際、着こなす方の年齢もスーツ選びの指標になります。例えば、20代は元気で明るい印象が好まれるため、清潔感やフレッシュさが引き立つようなスーツを選びます。しかし、20代のスーツ選びのポイントは大人の落ち着きが増した30代や50代には当てはまらないため、それぞれの世代に似合うスーツの色や柄、シルエットを知ることが大切です。
30代
おすすめの色|ネイビーとグレー
ネイビーやグレーのスーツは、幅広い年齢層におすすめできます。
30代におすすめの色は、ネイビーとグレーです。
ネイビーのスーツは誠実・堅実な印象を与える他、品の良さが感じられます。濃淡によって雰囲気が異なり、例えばダークネイビーは大人っぽくて落ち着きのある装いに、ライトネイビーなら清潔感や清涼感のある若々しい装いになります。他の色と相性が良く、コーディネートに困らないのも、ネイビーのスーツの魅力です。
グレーのスーツは大人っぽく落ち着きがあり、知的な印象を与えます。これまでの経験や実績を後押ししてくれる色なので、30代にもおすすめです。濃淡によって印象が変わり、ダークグレーは渋みのある大人の雰囲気を、ライトグレーなら若々しさをプラスできます。
また、ネクタイなどの小物の色によっても印象が変わり、例えば赤や青、緑やオレンジなどのはっきりとした色のネクタイなら堅実な印象になります。もちろん、選ぶ色によって「情熱的」「聡明」「社交的」など細かな印象は異なりますが、はっきりとした色は安定感と信頼感をプラスします。
一方、くすみカラーや淡い色合いのネクタイもグレーのスーツに合います。例えば、渋みのあるボルドー系なら大人の色気を演出できますし、水色のネクタイは若々しくて自由な印象を与えます。
グレーは無彩色なので、どのような有彩色とも相性が良いです。派手な色を落ち着かせる効果もあるため、ネクタイを選ぶ際は好きな色や、色の持つイメージから選んでみてください。
なお、他にはない個性と落ち着きを纏いたいなら、ブラウンのスーツもおすすめです。ブラウンは日本人の肌色になじみやすいカラー。重厚感があるため20代には不向きですが、年齢を重ねて大人っぽさが増した30代なら違和感なく着こなせるでしょう。
おすすめの柄|ストライプ
「無地は持っているから、柄のあるスーツがほしい」という場合には、ストライプがおすすめです。
ストライプは視覚効果からすっきりとした着こなしになります。スタイルを良く見せる効果が期待できるため、スマートさを演出したい方にも満足していただけるでしょう。
ただ、ストライプと一口に言っても種類はさまざまですし、それぞれに異なる雰囲気を纏っています。試着を行ったり、フィッターにアドバイスを求めたりして、自分に似合うストライプを探しましょう。
シルエット|適度なゆとり
細身のスーツが人気の20代とは異なり、30代には適度なゆとりのあるスーツがおすすめです。ゆとりがあることで動きが阻害されず、見た目にも威厳が出るため、同僚や部下、クライアントからの信頼獲得にもつながるでしょう。
スーツを選ぶ際は、下記4つのポイントをチェックし、スーツに適度なゆとりがあるかを確認しましょう。
- 肩先にひとつまみできるほどの余裕がある
- お尻が3分の2隠れるほどの着丈がある
- ヒップラインが出ず、またポケットも不自然に開かない
- まっすぐ立ったとき、太もも部分にひとつまみできるほどの余裕がある
50代
おすすめの色|ベージュやブラウン
50代にもネイビーやグレーのスーツはおすすめですが、社会人歴が長いことからすでに持っているという方も多いのではないでしょうか。同じ色で新調しても良いですが、「新しい色に挑戦してみたい」という方にはベージュやブラウンがおすすめです。
ベージュやブラウンはナチュラルかつ落ち着きのある色なので、50代特有の落ち着きや貫禄と調和しやすいです。威厳の中に優しさや穏やかさもプラスできるので、話しかけやすい空気感を纏うことができるでしょう。
ベージュやブラウンを選ぶ際は、色の明暗や濃淡にも意識を向けると良いです。例えば、少し明るめの色だと顔色が明るく見えて健康的ですが、肌の色との相性も確認する必要があります。第三者に見てもらい、自分の肌の色と合うか、どういった印象になるか、客観的な意見をもらいましょう。
おすすめの柄|無地またはシャドー柄
紳士的で落ち着きのある品の良さを保つためには、派手な柄は避けたほうが良いです。派手すぎると浮ついた印象から言葉が軽く受け取られてしまう可能性がありますし、何よりビジネスシーンにはそぐわないです。無地またはシャドー柄のような目立たない柄を選ぶことをおすすめします。
シルエット|ジャストサイズ〜適度なゆとり
年齢的な面から体型の変化が著しい50代は、大きめのサイズを選びがちです。しかし、スーツのサイズが合っていないと着心地が悪くなり、見た目の印象も損なわれるため、ジャストサイズ〜多少ゆとりがある程度に留めておくのが良いです。
オーダースーツなら自分の体型に合わせて仕立てますし、ゆとりを持たせることも可能です。フィッターに相談すればより良いアドバイスをもらえるので、サイズに関しても要望や不安を伝えてみてください。
30代・50代におすすめする3つのスーツ生地ブランド
次に、30代と50代におすすめのスーツ生地をご紹介します。
30代
トレーニョ
「トレーニョ(Tollegno)」は、1900年にイタリアの高級毛織混紡産地・ビエラで設立された老舗の服地メーカーです。軽くてしなやかなトレーニョの生地は、世界の有名ファッションブランドが使用するほど高品質。牧畜から服地生産まで一貫して行っているため、高品質ながらコストパフォーマンスにも優れています。色柄が豊富なので、ビジネススーツの仕立てはもちろん、冠婚葬祭用のスーツの仕立てにもおすすめです。
ジョン・フォスター
「ジョン・フォスター(John Foster)社」は、1819年に創業したイギリスの毛織物メーカーです。1世紀以上もの間、世界のファッションブランドやアパレルメーカー、フィッターなどが認める高品質の生地を生み出しており、いまなお人気は衰えません。
イギリスらしい伝統的なデザインの生地が多く、生地の質感はイタリア生地よりはコシがあり、古くからあるイギリス生地よりは柔らかくしなやかです。また耐久性があり、コストパフォーマンスにも優れているため、頻繁に着用するビジネススーツの生地にぴったりでしょう。
国島
「KUNISHIMA(国島)」は日本の毛織メーカーです。前身の国島商店は、尾州地方(愛知県一宮市を中心とした地域)にて1850年に創業。2020年に社名を「KUNISHIMA」に変更し、日本と世界に向けて上質な生地を発信しています。
KUNISHIMAの生地は、しなやかで張り感があります。着心地が良く、スーツの着用した際のシルエットを美しく見せることができます。生地の表面にある細かな凹凸が光を散乱させて、生地に深みをプラスしています。生地の色柄が豊富なので、自分らしさを表現できるお気に入りの生地が見つかるはずです。
50代
ゼニア
「ゼニア(ZEGNA)」は、イタリアの生地メーカーです(旧エルメネジルド・ゼニア)。スーツ生地の品質は世界でもトップクラスといわれており、多数の有名ブランドがゼニア生地を使用していることから世界中にファンがいます。
厳選された羊毛から作られた生地は、なめらかな肌触りと着心地、光沢のある華やかさが魅力です。実際に手にしてその美しさに魅了されてしまう方も少なくありません。ゼニア生地は高級感や重厚感のあるスーツを仕立てたい50代におすすめです。
ロロピアーナ
「ロロピアーナ(Loropiana)」は、ゼニアと並ぶほどに人気があるイタリアの老舗生地メーカーです。最高級ウールと最高級カシミアを取り扱っており、生地の品質は折り紙つきです。
きめ細かな生地は肌触りがやわらかで発色が良く、ツヤや光沢があります。また伸縮性があり、シワの回復力に優れている点もロロピアーナの特徴といえるでしょう。気品があり、大人の色気を感じさせる生地なので、50代のスーツスタイルにあか抜けた印象を与えてくれるはずです。
アルフレッド ブラウン
アルフレッド ブラウン(ALFRED BROWN)は、イギリスの老舗織物メーカーです。イギリスらしいトラッドな柄が多く、ビジネスシーンにも違和感なくなじみます。イギリス生地らしい耐久性の高さに加えて、品のある光沢が魅力です。落ち着きのある控えめな生地ながら存在感があるため、シンプルな装いを好む50代の方にもおすすめです。
テーラーのオリジナル生地もおすすめ
スーツ専門店の中には、自社のオリジナル生地を開発・取り扱っているところもあります。店舗へ足を運ぶお客さまの年齢層や好みなども含め、必要な要素を加えながら生地を開発しているため、スーツ専門店のテイストなどが好みに合っているなら検討してみる価値はあるはずです。
30代・50代におすすめのコーディネート
こちらでは、スーツの着こなしに悩んでいる30代・50代のビジネスパーソンに向けて、おすすめのコーディネートをご紹介します。
30代
コーディネート① ネイビー×ブルー系のシャツ
白のワイシャツも良いですが、ネイビーにブルー系のシャツを合わせると都会的な印象とこなれ感が生まれます。もともとネイビーは他の色との相性が良い色ですが、同系色と合わせることでシンプルで若々しい雰囲気になります。清涼感もあるので、暑い季節にも爽やかな印象を与えられるでしょう。
ネイビーと正反対の暖色系のアイテムを加えると、より洗練された雰囲気になります。ネクタイなどの小物を使って、コーディネートを楽しんでみてください。
コーディネート② グレーのワントーンコーデ
スーツもワイシャツもネクタイも、無地のグレーでまとめることで、上品な印象になります。ただし、グレーの色合いによってはふわふわとした締まりのない印象になるため、ベルトと靴の色を黒にして凛としたイメージをプラスしましょう。
コーディネート③ ブラウン×ブルー系のシャツ
ブラウンの無地のスーツは地味になりがちですが、ブルー系のワイシャツを合わせることで爽やかで明るい印象になります。ただし、暗いブラウンに暗いブルーを合わせるとメリハリがなくなることもあるため、組み合わせる際は色の明るさに注意しましょう。
50代
コーディネート① ネイビー系のワントーンコーデ
50代のコーディネートはシンプルさが鍵です。装飾が多くなると逆にチープな印象になるため、ネイビー系のワントーンコーデは50代と相性が良い組み合わせといえます。
上質な生地で仕立てられたネイビーのスーツは、落ち着きのある色合いがベスト。白やサックスブルーのシャツに、スーツと同系色のネクタイを合わせることでまとまりのある雰囲気になります。また、襟の部分が白でボディの部分がブルー系のシャツも、さりげないおしゃれを楽しみたい方におすすめです。さらに、スーツと同じ生地でできたベストを合わせてスリーピーススーツにすれば、よりスタイリッシュで都会的な装いになります。
コーディネート②ブラウン・ベージュ系の3ピースコーデ
ブラウン・ベージュ系のナチュラルカラーは肌なじみが良く、適度な華やかさをプラスしてくれます。多少明るめの色でも無地なら主張しすぎることがないので、ビジネスシーンにもプライベートでも着こなしを楽しめます。
スーツとベスト、ネクタイを同系色でまとめて、シャツの色で遊ぶのも大人の遊び心が感じられてすてきです。例えば、王道の白シャツなら爽やかでスマートな印象に、ピンク系のシャツなら優しい印象に、濃いネイビーのシャツならトラッドな色味なのにモダンな印象を与えます。カラーシャツと合わせるときは胸元に同系色のチーフを挿すのも良いでしょう。
コーディネート③ シックな色のワントーンカジュアルコーデ
ビジネスシーンだけでなく、オフのときでもジャケットを着用する50代の男性は多いのではないでしょうか。明るい色も良いですが、シックな色でまとめるのも落ち着きのあるコーディネートになってすてきです。
コーデュロイなどのカジュアルさのある素材を使ったジャケットは、きちんとした感じが出すぎないためおすすめです。V字やU字のネックも良いですが、あえてタートルネックにして露出を抑えることで、カジュアルな装いの中にも気品や大人っぽさをプラスできます。全体をネイビーや黒で合わせるのも良いですし、インナーをボルドーなどの色にしてもバランスが良くまとまります。
さらに、パンツはスラックスよりもチノパンがおすすめです。トップスがカジュアルすぎる場合は、チノパンの色やデザインでバランスを取りましょう。
なお、ジャケットは重いし暑いというときはカーディガンに変えるなど使用するアイテムを増やすと、オフのコーディネートの幅も広がります。
オーダースーツのおすすめオプション
スーツをオーダーされる場合のおすすめのオプションをご紹介いたします。
ダブル
ダブルブレストスーツは前ボタンの配列が2列になったスーツです。4つボタンと6つボタンのデザインがあり、前見頃の部分を重ねてボタンを留めるため重厚感があります。また、シングルスーツよりもかっちりとしたフォーマルな印象を与えやすいといえます。以前のダブルのスーツは、大きめのサイズが主流で年配の方が着用するイメージがありましたが、最近のダブルスーツは「スマートなシルエット」が主流ですので、30代のビジネスマンがおしゃれかつかっちりとしたイメージを与えたい場合におすすめのオプションとなります。
サイドベンツ
サイドベンツは、ジェケットの裾の後ろの左右に2本の切れ込みが入ったスタイルです。切れ込みが1本のセンターベントに比べて威厳があるイメージを与え、英国調のスーツによく合います。
ワンタック
パンツのオプションについてはワンタックもおすすめいたします。ノータックに比べて動きやすいという機能性はもちろん、パンツのデザインにワンポイントの特徴を与えることができます。あまり幅広のタックですと野暮ったいイメージになりがちですが、タックの幅を適正にすれば、スマートなデザインのパンツに仕上げることができます。
まとめ
20代はフレッシュさを求められるためスーツの選択肢が少ない傾向にありますが、30代や50代になると纏う雰囲気が変わるためスーツの選択肢はぐっと増えます。オーダースーツならデザインや着心地にこだわることができるため、自分に似合う新たなスーツスタイルを見つけられるはずです。
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