スーツのボタンの正しい留め方は?種類ごとのマナーや注意点を詳しく紹介
スーツのマナー
2022.8.7
目次
スーツを着るとき、ボタンの留め方まで気を配っていますか? スーツにはボタンの留め方にもマナーがあり、きちんとした印象を与えられるかどうかを左右するポイントになります。とくに日ごろからスーツを着用するビジネスパーソンは、しっかりとボタンに関する着こなしマナーを押さえておくことが大切です。
今回は、スーツのボタンマナーについて詳しくご紹介します。新成人や就活中の学生、新社会人はもちろん、ダブルスーツやスリーピーススーツを着用したいとお考えの方は、ぜひご覧ください。
スーツのボタンの留め方にはマナーがある
スーツのボタンには、留め方に正式なマナーがあります。スーツの種類やボタンの数、着用シーンによってマナーは変わりますが、ヨーロッパなどと比較してスーツの歴史が浅い日本では、ボタンの正しい留め方を知らないという方も少なからずいます。
スーツのボタンは人目につきやすい部分です。仮にボタンの留め方が違うと見る人に違和感を与えてしまいますし、ビジネスシーンにおいてはマイナスな印象を与えかねません。どのような場面でも対応できるように最低限のマナーを押さえておくことが大切です。
【種類別】スーツのボタンの正しい留め方
まず前提として、スーツには1番下のボタンを留めない「アンボタンマナー」というルールがあります。最下部のボタンは飾りであり、留めるとしわが入ってしまうため外すというのが一般化しています。
それを踏まえた上で、下記にてシングルスーツとダブルスーツのボタンマナーをご紹介します。ふだんから着用する機会の多いスーツの種類については、しっかりとマナーを覚えておきましょう。
シングルスーツの場合
2つボタンや3つボタンなど、シングルスーツの種類はさまざまです。ボタンの数によって留める場所が異なるため注意しましょう。
1つボタン
1つボタンとはジャケットの前面に1つだけボタンがついたスーツで、ボタンをしっかり留めるのが着こなしのマナーです。胸元のVラインが広く作られており、2つボタンや3つボタンよりも華やかでフォーマルな印象を与えます。
2つボタン
2つボタンとは、ジャケットの前面に2つボタンがついたスーツです。上のボタンは留め、下のボタンは開けるのがマナー。ビジネスシーンだけでなく、フォーマルな場でも着用できるスタンダードなスーツです。
3つボタン
3つボタンとは、ジャケットの前面に3つボタンがついたスーツです。胸元のVゾーンが狭く作られており、1番上と真ん中のボタンを留めます。ボックス型のシルエットなので誠実な印象を与えますが、現代のビジネスシーンで着用する方は少数です。
段返り3つボタン
段返り3つボタンとは、1番上のボタンがラペル(下襟)に隠れて2つボタンに見えるスーツです。2つボタンのようにスマートな印象がありながら、3つボタンの誠実さも感じさせるため、最近では段返り3つボタンスーツを着用する方も増えています。通常の3つボタンとは異なり、段返り3つボタンは真ん中のボタンを留めて、上と下のボタンは開けるのがマナーです。
ダブルスーツの場合
ダブルスーツ(ダブルブレスト)の場合、主流は4つボタンと6つボタンです。
4つボタン
4つボタンとは、ジャケットの前面に4つボタンがついたスーツです。留め方には1つ掛けと2つ掛けがあり、前者は下のボタンのみ留めるのがマナーで、後者は上と下のボタンを留めるのがマナーですが、現代では上のボタンのみを留めるのが一般的な着こなしです。
6つボタン
6つボタンとは、ジャケットの前面に6つボタンがついたスーツです。正式な場では真ん中と下のボタンを留めるのがベターとされていますが、現代では6つボタン2つ掛けの場合には真ん中のボタンのみ、6つボタン1つ掛けの場合には下のボタンのみ留めるのが一般的な着こなしになってきています。
ベストやスリーピーススーツ着用時の正しいボタンの留め方
こちらでは、スリーピーススーツのボタンマナーをご紹介します。
ベストのボタン
シングルのベストはアンボタンマナーが適用されますが、ダブルのベストに関しては1番下のボタンを留めることもあります。ダブルのベストを着用する際は、ダブルのスーツと同じような着こなしにすると良いでしょう。
スリーピーススーツのボタン
スリーピーススーツでは、ジャケットのボタンは全て外しましょう。ボタンを留めると生地にしわが寄ったり、ベストによって着膨れして見えたりと、不恰好な着こなしになります。
就活や面接時のスーツのボタンに関するマナー
就活や面接のときは、スーツの着こなしについて多少マナーが変わることもあります。
着席時にはボタンを外す
基本的にスーツは下のボタンを開けますが、着席時には全てのボタンを外します。ボタンを留めて座るとジャケットにしわが寄り、だらしないシルエットになるため、信頼や誠実さが損なわれる恐れがあります。スマートな着こなしを演出するためにも、着席時にはボタンを外すように心掛けましょう。
面接時にはボタンを留めておいたほうが良い場合も
上記にて着席時はボタンを外すのがマナーとお伝えしましたが、就活の面接時はその限りではありません。着席時にボタンを外せても、退室時には緊張からボタンを留め忘れてしまうケースがあるからです。はだけたまま退室するとマイナスの印象を与えてしまいかねないため、ボタンの開け閉めに慣れていないなら、1番下のボタンだけを外した状態で面接を受けましょう。
また、面接官によってはボタンを外す仕草が気になったり、“生意気”といったマイナスの印象を抱いたりする方もいるようです。マイナスの印象を与えてしまうよりも、「まだ学生だからスーツのマナーを知らないのだろう」と思われたほうがダメージは少ないかもしれません。
女性の場合もボタンの留め方は同じ?
女性の場合は、ボタンを全て留めるのがマナーです。女性用のスーツは、ボタンを留めて着ることを前提に作られています。男性用のスーツに比べて着丈が短めに作られており、全てのボタンを留めないとお腹の部分が見えてしまうため、だらしなく見えたり、着用時のシルエットが崩れてしまったりする恐れがあります。就活や面接、仕事、大事な商談などではきちんとした着こなしを意識しましょう。
なお、最近では着丈が長めのマニッシュなスーツも登場しています。こうしたスーツを着用する際は、ジャケットの1番下のボタンを開けても問題はないでしょう。ただし、ダボついたり、だらしなく見えたりしないかをきちんと確認することが大切です。
まとめ
スーツのボタンは人目につきやすい部分であり、他者からの印象を大きく左右します。大事な商談などではクライアントからの信頼を得ることが大切ですが、着こなしのマナーを守らないことで信頼を失ってしまうこともあるかもしれません。ふだんから着用しているスーツはもちろん、冠婚葬祭などのプライベートでもスマートな着こなしができるように、スーツごとのボタンマナーを覚えて、正しい着こなしを楽しみましょう。
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