ワイシャツは襟や袖口のデザインに注目!シャツ選びのポイントから黄ばみの撃退・予防方法まで解説
その他(豆知識)
2022.9.20
目次
ワイシャツ(Yシャツ)の襟は多様な種類があることをご存じですか?それぞれにどのような特徴があり、どのようなシチュエーションで着るのが最適なのか知らない方も多いのでは?
このコラムでは、襟の種類や、シーン別の選び方、汚れの落とし方まで解説します。
ぜひご覧ください。
ワイシャツ(Yシャツ)の襟の種類とその特徴
レギュラーカラー
最も定番な襟の形。襟の開きの角度は65度のものが定番ですが、襟の長さや開き具合は時代によって多少変化します。
ビジネスから冠婚葬祭まで幅広く着用できる万能な襟の形ですが、最近の傾向としては、ビジネスシーンでの着用は減少してきています。
ワイドカラー
レギュラーカラーより襟が大きく広がっているのが特徴。
襟の開きの角度は、100~140度程度。
襟の開きは大きいため首回りがすっきりした印象になるので、ネクタイの結びを大きめに作るウィンザーノットを使ったスタイルが合います。ビジネスから冠婚葬祭、カジュアルまで幅広く着用できます。
セミワイドカラー
襟の開きの角度は90度前後で、レギュラーカラーとワイドカラーの中間位の開き具合のデザイン。
最近では若者から年配の方まで最も人気のある襟の形で、レギュラーカラーに代わってビジネス用のワイシャツの定番型として定着しています。ビジネスから冠婚葬祭、カジュアルまで幅広く着用できるスタンダードな襟の形です。
ボタンダウンカラー
襟先にボタンがついていて、身頃に留めるのが特徴。
このボタンを留めることで、第一ボタンを外しても襟の形をきれいに保てるので、ノーネクタイで着用することが多いです。クールビズやオフィスカジュアルが求められるシーンでの着用がおすすめです。
ドゥエボットーニカラー
ドゥエボットーニとはイタリア語で「ボタンが2つ」という意味で、台襟(第一ボタンの部分)に縦にボタンが2つついているのが特徴。
台襟が高くデザインされているので、ノーネクタイの着こなしが合います。
ビジネスでの着用もできますが、商談などの真面目なシーンでの着用には不向きです。また、冠婚葬祭でも着用はできますが、結婚式二次会などカジュアルなシーンでの着用をおすすめします。
ホリゾンタルカラー
ホリゾンタルとは英語で「水平」という意味で、ワイドカラーよりもさらに角度が広く、ほぼ180度に開いた襟が特徴。
襟元が綺麗なアーチ型になるため、ノーネクタイでシャツ1枚でも、ジャケットと合わせても着こなしが決まります。ネクタイをする場合は、太めで大きめの結び目を作るのがおすすめ。
シャツの色柄により上品にもカジュアルにも着こなせるため、カジュアルなビジネスシーンや、結婚式や披露宴、普段着としても幅広く着用できます。
カッタウェイカラー
ホリゾンタルワイドカラーと同じく、襟が大きく開いたデザインが特徴ですが、角度に違いがあります。襟の角度がホリゾンタルワイドカラーは180度なのに対し、水平より広い190度以上に開き、少し後ろにカットされた襟の形です。
第一ボタンを外してノーネクタイのスタイルがおすすめです。ネクタイを合わせるなら細めのタイプより幅が太いタイプの方が合います。カジュアルなビジネスシーンや、プライベートでスーツを着る際におすすめ。
ナローショートカラー
「ナローカラー」とは襟の角度が約60度以下の狭い襟の形のことを指し、襟の長さが短く小さい襟の形が特徴。ショートポイントカラーとも呼びます。
小さく控えめな印象の襟なのでカジュアルシーンで着用されることが多いです。また結婚式二次会などのカジュアルなフォーマルシーンでの着用もおすすめです。
ウィングカラー
首を包み込むような立ち襟で、襟先が前に倒れているのが特徴。
小さく折り返した襟先が「鳥の翼」のように見えるため、ウィングカラーと名づけられました。
格式の高いフォーマルな装いに合わせるシャツとして知られ、結婚式や披露宴、パーティーなどで着用されます。
スタンドカラー
襟の折り返しがなく、首回りに沿った立て襟が特徴。
ノーネクタイで着ることを前提に作られた襟型で、首元はスッキリした印象です。
1枚で着たり、ジャケットやカーディガンと合わせるなど、着こなしの幅が広いのが魅力的です。
タブカラー
左右の襟にお互いを繋ぐ紐(タブ)が施されているのが特徴。
タブはスナップで留めるタイプ(ホックタブ)とボタンで留めるタイプ(ループタブ)があります。ネクタイを締めた後に下から紐をかけることで立体感が生まれます。
ネクタイを締めることを前提に作られた襟なのでノーネクタイには向きません。結婚式や結婚式二次会など華やかな雰囲気で着用するのがおすすめです。
ラウンドカラー
襟先が丸くカーブしているのが特徴。
一般的なデザインの襟より優しげで温和な印象を与えるので、ビジネスシーンでの着用よりプライベートでの着用をおすすめします。
ピンホールカラー
襟先の中ほどにアイレット(ハトメ)と呼ばれる穴があり、ピンを通すことができるのが特徴。
ピンを付けた部分がネクタイを持ち上げ、立体的に見せることができます。
結婚式二次会やパーティーなどのカジュアルで華やかな雰囲気での着用をおすすめします。
ワンピースカラー
台襟がなく、襟と前立ての裏部分が1枚の生地(ワンピース)で仕立てられているのが特徴。
立体的な襟なのでノーネクタイでも着こなしが決まり、クールビズやビジネスカジュアルなシーンでの着用をおすすめします。
ワイシャツの袖口(カフス)のデザインとその特徴
シングルカフス(パレルカフス)
シングルカフスは折り返しのないデザインで、ボタンで留めるスタンダードな袖口です。
ダブルカフス(フレンチカフス)
ダブルカフスは袖を折り返して2重にしたデザインで、カフス専用シャツの袖口に使われます。「フレンチカフス」とも呼ばれており、ファッション性の高さから人気があります。
ターンナップカフス
ターンナップカフスは、肘の方向へ折り返したデザインです。ダブルカフスの一種ですが、折り返した外側の部分にはボタンがつけられていません。「ミラノカフス」「ターンバックカフス」とも呼ばれています。
スクエアカフ
スクエアカフは角がカットされていないストレートのデザインで、「角」とも呼ばれています。シンプルなデザインなので使用シーンを選びません。
ラウンドカフ
ラウンドカフは、角が丸くカットされたシングルカフスです。小丸のものが一般的で、ドレスシャツに多用されています。
カットオフ
カットオフは、角が斜めにカットされたシングルカフスです。「カッタウェイカフス」や「角落型」とも呼ばれており、すっきりとした切り口がシャープで都会的な印象を与えます。
ワイシャツのフロントデザインとその特徴
プラケットフロント(表前立て)
プラケットフロントは、ドレスシャツ(ビジネスシャツ)に使用されるデザインです。「表前立て」とも呼ばれます。前立てとはボタン部分にある帯状のパーツのことで、イギリスやアメリカのクラシックなワイシャツは、表前立てが主流となっています。
フレンチフロント(裏前立て)
フレンチフロントは前立てをつけない(前端を内側に折り返した)デザインのことで、「裏前立て」とも呼ばれます。すっきりしたスタイリッシュな雰囲気が特徴で、イタリアやフランスでは裏前立てのワイシャツが多くみられます。
フライフロント(比翼前立て)
フライフロントは前立てを二重にして、表からボタンが見えないようにしたデザインです。「比翼前立て」「比翼仕立て」とも呼ばれています。すっきりしたシルエットなので、清潔感のあるきちんとした印象を与えます。
自分にぴったりのワイシャツを選ぶには?
襟や袖口、フロントデザインの他にも、ワイシャツにはさまざまな特徴があります。多種多様なワイシャツの中から自分にぴったりのものを選ぶにはどうしたら良いのでしょうか。
こちらでは、どのようなワイシャツを選ぶ際にも基準となるポイントを3つご紹介します。
自分に合ったサイズを選ぶ
1つ目は、自分に合ったサイズを選ぶということです。スーツと同じく、ワイシャツもサイズ感が重要です。大きすぎるとだらしない印象になりますし、小さすぎてもパツパツでシルエットが崩れます。後者に至っては、腕などの可動域が狭まって窮屈に感じてしまうでしょう。
首回り……指が1〜2本入る程度の余裕を持たせる
袖……ジャケットから1cm〜1.5cmほど見える長さ
上記はサイズ感を見極めるポイントとなるため、ワイシャツを選ぶ際には確認することをおすすめします。
生地
ワイシャツは仕立てに使う生地で印象が変わります。例えば、綿のワイシャツは品のある光沢が特徴です。高級感を演出できるため、ビジネスシーンはもちろんフォーマルな場でも重宝します。
また、ポリエステルを使用したワイシャツは軽くて丈夫です。シワになりにくいため、外回りなどアクティブに活動するビジネスパーソンにもぴったりです。
色柄
ビジネスシーンでは、定番色のホワイトや薄いサックスブルーのワイシャツがおすすめです。さわやかで清潔感があるため、社内外の人に好印象を与えられます。
「定番の2色は持っているから別の色がほしい」「もう少し遊びがほしい」「おしゃれに見える着こなしを楽しみたい」などという方には、グレーやピンク系などのワイシャツも良いでしょう。この2色はとくにグレーのスーツと相性が良く、コーディネートに困る心配はほとんどありません。
また、柄は「無地」もしくは主張の少ない「ストライプ」がおすすめです。職種にもよりますが、派手な柄はカジュアル度が高く悪目立ちすることもあるため、ビジネスシーンには不向きなケースが多いです。シンプルさを心掛けてワイシャツ選びを楽しみましょう。
シーン別にご紹介!ワイシャツ(Yシャツ)の選び方のポイント
ワイシャツには多種な襟型があるので、TPOに合わせた着こなしに悩む方も多いのではないでしょうか?
そのような方のために、こちらでは、ビジネスシーン・カジュアルシーン・結婚式やお葬式(お通夜)に最適な襟型と着こなしについてご紹介します。
ビジネスシーン
ビジネスシーンで最も汎用性の高い襟型は、ワイドカラーとセミワイドカラーでしょう。この二つの襟型はレギュラーカラーより開きが大きいため、すっきりとした印象で誠実さや真面目さを感じられます。
襟の開きが大きくネクタイの結び目も目立つので、ウィンザーノットなど太めのネクタイの結び方が合います。
カジュアルシーン
クールビズなどのオフィスやプライベートで着るワイシャツは、ボタンダウンやドゥエボットーニが優れています。ボタンダウンは襟が型崩れしにくく、ドゥエボットーニは襟に高さがあり襟先までの長さがあるので、ノーネクタイでも着こなすことができます。
ノーネクタイで着る際は、第一ボタンを外すと首元がすっきりして品良く纏まります。
結婚式・お葬式(お通夜)
冠婚葬祭には、ウィングカラーシャツがおすすめです。結婚式では、ボウタイやアスコットタイなどと組み合わせることで更に華やかさを演出できるでしょう。
お葬式やお通夜などの弔事では、白無地のレギュラーカラーが適しています。ネクタイは黒い弔事用のものを合わせるのが一般的です。
ワイシャツの襟・袖口の汚れはイメージダウンになるため注意
襟や袖口などにこだわってワイシャツを選んでも、白さや清潔さが維持できなければだらしない印象や不潔な印象を与えてしまいます。着続けることでワイシャツは徐々に黄ばむため、黄ばみの原因を知り、汚れにきちんと対処することが大切です。
ワイシャツの襟・袖口の黄ばみの原因は「皮脂」
ワイシャツの黄ばみは、皮脂汚れが蓄積してできます。とくに、襟の部分は首や肩の皮膚とこすれやすいため、ワイシャツの繊維の奥まで皮脂が染み込んで黄ばみが発生してしまうのです。
加えて、汗っかきの人は皮脂の分泌が盛んなので襟回りや袖周りが黄ばみやすくなりますし、ワックスやムースなどの整髪料が襟についた際も黄ばみにつながります。
黒ずみの原因は「皮脂+ホコリ・ゴミ」
ワイシャツは黄ばみだけではなく、黒ずみが発生することもあります。黒ずみは、皮脂汚れに加えてホコリやゴミが蓄積することで起こります。黄ばみよりも落としづらい頑固な汚れなので、通常の洗濯ではなかなかきれいになりません。汚れがひどくなる前に、日々のお手入れできちんと対処する必要があります。
ワイシャツの襟や袖口の黄ばみ汚れの落とし方
ワイシャツの襟や袖口の黄ばみは、洗濯機で洗っただけでは落ちません。
こちらでは、襟や袖口の黄ばみの落とし方についてご紹介します。
※家庭での洗濯禁止・ドライクリーニング可能の表記がある場合は、自宅では洗わず、クリーニングに持っていくようにしてください。
食器用洗剤
黄ばみの原因となる皮脂汚れは、油汚れなので食器用洗剤が有効です。
用意するものは、ゴム手袋、歯ブラシなどの小さなブラシ、洗面器。
まず、洗面器に水を張り、その中にワイシャツの首回りを入れて濡らします。
その後、ゴム手袋をつけて食器用洗剤を直接首回りに塗り、生地が傷まないように優しくもみ洗いをします。汚れがなかなか落ちない場合は、ブラシを使用しましょう。
最後は、頑固な汚れを落とすため、洗濯機で洗いましょう。
重曹とクエン酸
アルカリ性の重曹と酸性のクエン酸を使用することで、中和反応で発生する泡で汚れを落とすことができます。
用意するものは、洗面器、重曹のペーストを作るための小さな容器、スプーン、クエン酸をスプレーするためのスプレー容器です。
まず、小さな容器に水:重曹=250mL:小さじ1程度の重曹のペーストを作ります。
ゴム手袋をはめ、重曹ペーストをスプーンで汚れた襟の首回りに塗ります。
次にスプレー容器に水:クエン酸=100mL:小さじ1/2程度のクエン酸スプレーを作り、重曹ペーストを縫った部分に吹きかけます。そうすると中和反応により、泡が発生し汚れを落としてくれます。
最後は、泡を汚れに馴染ませてから洗濯機に入れて洗います。
酸素系漂白剤と重曹
先述した方法でも落ちなかった場合は、少し手間はかかりますがこの方法が有効です。
用意するものは、洗面器、ゴム手袋、歯ブラシなどの小さなブラシ、スチームの出るアイロン。
まず、洗面器にぬるま湯をはり、酸素系漂白剤と重曹を共に大匙1程度入れ溶かします。
ゴム手袋を着用し、ブラシで汚れた部分にこの液を塗ります。
その後、アイロンのスチームを当て、汚れを落とします。
汚れが落ちてきたら軽くすすいだ後、洗濯機に入れて洗います。
襟用洗剤
襟や袖回りのような汚れが溜まりやすい部分を集中的に洗う洗剤があります。
汚れに直接塗って洗濯機に入れるだけなので、便利な上、ワイシャツの生地を傷めずしっかりと汚れを落とすことができるのでおすすめです。
ワイシャツの汚れを落としやすい洗い方
なるべく生地を傷めないようワイシャツを長持ちさせるには、ワイシャツが入る位の大きめな洗濯ネットに入れて裏返しにして洗うと、汚れのつきやすい襟回りや袖回りの汚れも落ちやすくなります。
ワイシャツを洗濯する際の注意点
ワイシャツを選択する際には、下記の点に注意しましょう。
洗濯表示と素材を確認する
ワイシャツを自宅で選択する方も多いでしょうが、実は素材によって自宅で洗えるものとクリーニング推奨のものがあります。縮みや変色、破損などのトラブルを招く恐れもあるため、洗濯する前にきちんと洗濯表示と生地素材を確認することが大切です。
脱水時間をいつもより短めにする
脱水を行うと生地には大なり小なり負担がかかります。生地の傷みを極力防ぐためにも、脱水時間を短めに設定しましょう。
びしょびしょで大丈夫なのか心配になる方もいると思いますが、多少水分を含んでいたほうがワイシャツのシワが伸びてきれいに乾きます。もちろんずっと濡れっぱなしはカビや生乾き臭の原因になるため、風通しの良い場所に干しましょう。
太めのハンガーで干す
ワイシャツを干すときは、太めのハンガーを使用してください。針金のような細いハンガーを使うと生地にハンガーの跡がついてしまい、着用したときのシルエットに影響します。また、細いハンガーだとワイシャツの前部分と背中部分がくっついて乾くのに時間がかかります。
太めのハンガーなら跡がつきにくく、適度な隙間ができるため風通しが良くなり乾きやすくなります。
第2ボタンまで留めて干す
ワイシャツを干す際は、第2ボタンまで留めましょう。この一手間で、襟や肩の型崩れを防止することができます。
襟や袖口の黄ばみを予防する方法
あらかじめ襟や袖口の汚れを予防すれば、洗濯などのお手入れもラクになります。
ベビーパウダーを塗る
ベビーパウダーには皮脂や汗を吸収する性質があります。あらかじめ襟や袖口にはたいておけば皮脂がつきにくくなるため、黄ばみや黒ずみを予防できます。パウダーなのでにおいもそこまで気にならないでしょう。
専用の「のり」を塗る
アイロンがけの際、襟や袖口に汚れを防止する専用の「のり」を塗るのも効果的です。スプレータイプなので使いやすく、はじめて使用する方でも安心です。
ただし、塗布した部分は少し硬くなることがあるため、使用する量などを調整してください。
専用の「テープ」を貼る
アイロンがけの手間を省きたいという方には、襟の汚れを防ぐ専用の「テープ」がおすすめです。無色透明なので目立ちませんし、ワイシャツだけでなくジャケットやコート、ブレザーなどにも使えます。簡単に貼ったり剥がしたりできるため、出張などの出先にも持っていけます。お出掛け用や緊急用として持っておくと重宝しますよ。
まとめ
ワイシャツ(Yシャツ)の襟は多様な種類があり、その特徴とTPOに合わせた着こなしの重要性について理解していただけましたでしょうか?
また、ワイシャツを長持ちさせるためにも洗い方を工夫し、大事に愛用していきましょう。
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