オーダースーツの選び方|初めて購入する際に知っておきたい基礎知識を紹介
その他(豆知識)
2022.8.29
目次
就職や転職をするためにスーツを新調しようと思っている方の中には、体型に合う既製品のスーツがない、敏感肌なので肌に負担のないスーツがほしいという方もいるのではないでしょうか。
そんな方におすすめなのが「オーダースーツ」です。オーダースーツはスーツデザインや生地、色柄などを選べるので自分の希望に近いスーツを作れます。
今回は、オーダースーツの種類や予算の決め方、生地やボタンなどの選び方などをご紹介します。オーダースーツ選びに迷っている方に役立つ内容となっていますので、ぜひご覧ください。
オーダースーツは3種類
オーダースーツには、フルオーダー、イージーオーダー、パターンオーダーの3種類があります。これらは仕立て方や費用、納期などが異なるため、それぞれの特徴を理解した上で、自分に合ったオーダースーツを作ってみましょう。
パターンオーダー
パターンオーダーでは、ベースとなるゲージ服(サンプルスーツ)を使って仕立てます。ゲージ服は標準に近いサイズ感なので、標準体型の方におすすめです。好きな生地を選べる他、仕上がりイメージが想像しやすいという特徴があります。カスタマイズ性は低いですが、着丈や袖丈、パンツ丈など長さのサイズ調整は可能です。
価格相場は2万円〜7万円ほどで、既製品のスーツとほぼ変わらないリーズナブルな価格で仕立てられます。納期も2週間〜3週間と短いため、初めてオーダーする方や、できるだけ早くスーツがほしいという方にもおすすめです。
イージーオーダー
イージーオーダーでもゲージ服を用いてサイズ調整を行いますが、体型やデザインに関する補正を加えた型紙も作成するため、より自分の体型に合ったスーツを仕立てることが可能です。また、選べる生地やデザインが幅広く、自分の希望やこだわり、個性を詰め込めるのも魅力的でしょう。
イージーオーダーはこだわって作成できる分、価格相場は4万円〜20万円ほどと決して安くはありません。しかし、こだわりの1着をこの価格帯で作れるというのは大きなメリットといえるでしょう。
一般的な納期は3週間〜6週間ほどですが店舗によって差があり、例えば、HANABISHI (花菱)のイージーオーダーは6週間〜7週間ほどです。注文内容や時期によって納期が長くなることもあるため、オーダースーツを作る際は事前に確認しておくことをおすすめします。
フルオーダー
フルオーダーは細かく採寸し、1から型紙を作ってからスーツを仕立てます。フィッティング(仮縫い)もあるため作業工程が多く、時間も費用もかかりますが、オーダーの自由度が高いので細部までこだわりたい方におすすめです。
フルオーダーの価格相場は、20万円〜100万円以上です。いくらでもこだわりを追求できることから基本的に上限は定められておらず、納期は1か月〜2か月ほどかかります。
なお、オーダースーツの種類については、下記の記事でも詳しくご紹介しています。ぜひ、併せてご覧ください。
オーダースーツの注文から納品までの流れ
1回目の来店で「カウンセリング」「生地選び」「デザインや仕様の決定」「採寸」を行い、オーダースーツの完成イメージを固めていきます。初めてオーダースーツを依頼する場合、「自分に似合うスーツデザインが分からない」「スーツや生地などに詳しくない」などと悩む方もいますが、フィッターの意見を聞いたり、相談したりしながら自分の希望をまとめられるため、初めての方でも安心です。
2回目の来店で、フィッティング(仮縫い)を行います。フィッティングでは、仕付け糸で仮留めされた状態のスーツを試着し、サイズなどを細かく調整していきます。フィッティングを行うことで、より自分のイメージや体のサイズにぴったりのオーダースーツを作ることができるのです。
フィッティングは仮縫いつきのイージーオーダーと、フルオーダーのスーツを注文したときのみに限られます。テーラーによってはフィッティング回数をさらに1回多く設けているところもあるため、忙しくて来店する時間を確保するのが難しいという方は事前に確認しておくことをおすすめします。 3回目の来店で、オーダースーツを受け取ります(納品)。店舗に足を運べないという方のために配送を行っている専門店もあるので、こちらも事前に確認しておくと良いでしょう。
オーダースーツの選び方
オーダースーツを作る際、「予算の決め方が分からない」「生地やデザイン、ボタン選びに困る」などという方もいるでしょう。こちらでは、オーダースーツの選び方のポイントをまとめましたので、ぜひご参考にしてください。
予算を決めておく
オーダースーツを注文する前に、ある程度の予算を決めておきましょう。
例えば、「既製品のスーツと同程度の予算で購入したい」という方は3〜4万円、「いつも着ているスーツよりもちょっと良いスーツを作りたい」という方は5〜7万円、「高級なブランド生地を使って仕立てたい」という方は10万円以上というように、希望に合わせて予算を設定します。
生地のグレードを上げたり、オプションをつけたりすると金額が高くなるため、あらかじめ高めの予算を設定しておくと注文時に慌てずにすみます。
オーダースーツは、仕立て方によっては既製品のスーツとさほど変わらない値段で仕立てられます。とはいえ、自分の体のサイズに合わせて仕立てるオーダースーツは、摩擦などによる生地への負担が少なく、既製品のスーツよりも長く愛用できます。多少値段が高くても、長い目で見るとコストパフォーマンスに優れていると考えられるため、仕立てるメリットは大きいでしょう。
生地の選び方
スーツの着心地や印象は、どの生地を使うかによって変わります。
例えば、高級ブランド生地は繊細で強度があまり高くありません。摩耗しやすいため、営業や外回りなどの動きが激しい日に着るスーツには不向きです。その一方で、やわらかい感触で着心地がなめらかなので、「敏感肌で既製品のスーツが合わない」という方にも合う生地が見つかるでしょう。
また吸湿性や放湿性に優れている他、上品なツヤ感・光沢があり、発色が豊かという特徴があります。大人っぽくて信頼感のある装いになるため、プレゼンや商談など、ここぞというときの大事な日に着るスーツにはふさわしい生地といえるでしょう。
ポリエステル棍生地(※1)はカジュアルな印象が強く、ブランド生地に比べると着心地は硬めです。高級感には欠けるため、プレゼンや商談、冠婚葬祭などのフォーマルな場には不向きですが、摩擦に強く耐久性があり、シワになりにくいという特徴があります。また、軽くて汗なども乾きやすいため、営業や外回りが多いビジネスパーソンには重宝するでしょう。
なお、ポリエステル棍生地は、ポリエステルの割合が多いほどカジュアルになります。強度と風合いのバランスを重視したいなら、ウールとポリエステルの割合が7:3ほどの生地を選んでみましょう。
※1:ウールとポリエステルの混紡
色柄の選び方
オーダースーツの色柄を選ぶ際は、ビジネススーツの基本の色・定番の色を選ぶと良いでしょう。
ビジネススーツの色は「ネイビー」や「グレー」が基本です。無地や、うっすら柄が入っているもの(無地見えするもの)、ストライプがビジネスの定番柄です。
近年では就職活動で黒無地のスーツを着用している方もいますが、そもそも黒無地のスーツは冠婚葬祭用として作られたものです。日本においては一般化しているため問題になるケースは少ないですが、海外ではビジネスにそぐわない装いとされているため、ビジネスシーンでは避けたほうが無難でしょう。
どうしても黒のスーツを着用したいという場合は、柄が入っているものを選びましょう。
ボタンの選び方
オーダースーツを選ぶ際、意外と悩みがちなのがボタンです。こちらでは、代表的な3種類のボタンについて解説します。
水牛ボタン
水牛ボタンは、水牛の角と一部の骨から作られています。持ちが良く、長年愛用しても風合いが変わることはほとんどありません。高級感があり、ワンランク上の装いを求める方におすすめです。
貝ボタン
貝ボタンは、その名のとおり貝から作られています。強度は弱いですが、品のあるツヤが魅力で、光沢感のある上質な生地との相性が良いです。同じものは2つとしてないため、オーダースーツらしい特別感を求める方にもおすすめです。
ナットボタン
ナットボタンは、ヤシの実の種から作られています。乳白色をしており、染色することでさまざまなカラーバリエーションやデザインを生み出せるため、よりスーツの生地に合ったボタンを選べます。スーツを着崩したいときや、カジュアルダウンさせたいとき、単品ジャケットを仕立てる際などにおすすめです。
スーツを着こなすポイント
こちらでは、スーツを着こなす際のポイントについて解説します。
ジャストサイズを選ぶ
オーダースーツを購入する際は、スーツのサイズはもちろん、シャツもジャストサイズのものを選ぶことが大切です。ボタンを全て留めた状態で首周りに指が2、3本入るかどうか、ジャケットを着て腕を下ろしたときに袖丈が1〜2cmほど出るかを確認しましょう。お手持ちのシャツのサイズも確認してみてください。
インナーに気を配る
本来、シャツの下には何も着ないのが国際的なマナーですが、高温多湿の日本では汗を吸わせるためにインナーを着用する方が多いです。しかし、インナーが透けて見えると不恰好な印象になるため、透けない色=ベージュのインナーを着用しましょう。「ベージュは肌着感があるから着用するのにためらう」という方は、グレーのインナーもおすすめです。
ネクタイに注目する
ネクタイも色柄によって印象や雰囲気が変わります。例えば、明るい色や大きな柄はカジュアルで元気な印象を与えますし、暗い色や小さな柄は大人っぽい落ち着きやドレッシーな印象を与えます。
ネイビーの無地や小さめの柄は、どんなシーンにもスーツにも対応できます。ビジネスで着用するネクタイに迷ったら、ネイビーを選んでおくと安心です。
靴下にも気を遣う
靴下は、黒やネイビー、ダークグレーなどの暗めな色がおすすめです。また肌が見えないようにしたり、通気性を確保したりするために、ふくらはぎまである薄手のスーツ用靴下を選びましょう。
スーツや革靴の色とかけ離れた色の靴下を選ぶと、統一感がなくなります。カジュアルな印象が強くなるため、ビジネスシーンには不向きです。靴下は意外と目につく場所なので、気を抜かないように注意することが大切です。
まとめ
オーダースーツは仕立て方によって特徴が異なります。予算を決めたり、生地や色柄選びのポイントを押さえたりして、自分だけの1着を仕立ててみてください。また同時に、おしゃれで格好良いスーツの着こなしにも注目しましょう。着こなしひとつで印象は変わるため、マナーや身だしなみに気をつけながら自分のスーツスタイルを探してみてはいかがでしょうか。
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