フルオーダースーツとは?仕立てるメリットとオーダー時のポイント
その他(豆知識)
2023.11.6
目次
最高品質のオーダースーツである「フルオーダースーツ」。興味はあるものの、具体的にどのようなものなのか、また値段や納品、良し悪しが分からず、なかなか購入に踏み出せない方もいらっしゃるでしょう。
そこで今回は、フルオーダースーツの概要やメリット・デメリット、実際にオーダーする際のポイントについてご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
フルオーダースーツとは?
フルオーダースーツとは、お客さまの身体に合わせて一から仕立てるスーツのことです。「ハンドメイドオーダースーツ」「ビスポークオーダースーツ」と呼ばれることもあります。
現在は、採寸から仕立てまでをひとりのテーラーが手作業で行う店舗はごくわずか。機械を使用して型紙の裁断や縫製を行う店舗が増えてきています。なお、手作業の場合は「ハンドメイドのフルオーダー」、機械を使用する場合は「マシンメイドのフルオーダー」と表現するのが一般的です。
この他、フルオーダースーツでは「仮縫い」を行うのが特徴です。
仮縫いとは、採寸したデータをもとに裁断した生地を仮留めしたのち、それをお客さまに試着していただいてサイズの確認・微調整を行うこと。姿勢や身体のクセにスーツがマッチしているかを確認し、気になるところがあればその解決法を探ります。仮縫いを挟むことで、より満足度の高いオーダースーツに仕上げることが可能です。
比較で分かるフルオーダーの特徴
そもそも、オーダースーツには「パターンオーダー」「イージーオーダー」「フルオーダー」の3つの種類があります。それぞれで値段や作り方が異なるため、フルオーダースーツについて理解を深めるためにも3つを比較してみましょう。
パターンオーダー | イージーオーダー | フルオーダー | |
特徴 | 既成のサンプルから自分の身体に合ったものを選び、サイズ調整を行う | 既成の型紙から自分の身体に合ったものを選び、サイズ調整を行う | 一人ひとりの身体に合った型紙を一から作成し、サイズ調整を行う |
値段 | 2〜7万円ほど | 5〜20万円ほど | 20万円〜 |
納期 | 2~3週間ほど | 3〜4週間ほど | 1〜2か月ほど |
おすすめの人 | 初めてオーダースーツを 購入する人 | 体型や姿勢によって 市販のスーツが合わない人 | こだわりが詰まった一着を仕立てたい人 |
なるべく予算を抑えたい場合はパターンオーダー、こだわって仕立てたい場合はフルオーダーを選ぶのが望ましく、イージーオーダーに関しては予算を抑えながらも自分好みの一着を仕立てられます。そのため、もし比較した上で悩んでしまった場合はイージーオーダーを選ぶのも一案です。
フルオーダースーツのメリット
フルオーダースーツには、主に以下の3つのメリットがあります。
自分の体型や好みに合わせて仕立てられる
繰り返しになりますが、フルオーダースーツの場合、お客さまの身体に合わせて一から型紙を作成します。テーラーが専門的な知識を活かし、身体のバランスやクセを考慮して作成するため、既製品はもちろん、他のオーダースーツにはない着心地に仕上がります。
また、裏地に上質な生地を使用したり、デザイン性の高いボタンをつけたりと、デザインにこだわることができる点もフルオーダースーツのメリットです。自分の好みを100%詰め込んだスーツを仕立てられるため、満足度は高いといえるでしょう。
仮縫い段階でサイズやデザインを修正できる
フルオーダースーツを仕立てる際は、途中で仮縫いを行います。縫製前に実際に着用できるため、仮にイメージと異なる箇所があったとしてもその時点で修正することができます。
例えば、「採寸時より太ってしまった(痩せてしまった)」という場合には、仮縫いの段階でサイズを変更することが可能です。デザインも同様で、「もう少し派手に(地味に)したい」という場合に相応の修正ができます。そのため、フルオーダースーツであれば理想通りの一着に仕立てることが可能です。
テーラー・フィッターに相談できる
フルオーダースーツは、テーラー・フィッターに相談しながら仕立てます。「初めてオーダースーツを作るため専門用語が分からない」という場合も、理想のイメージをテーラー・フィッターに伝えればスーツに反映してくれるため、安心して身を任せられるでしょう。
フルオーダースーツのデメリット
フルオーダースーツには、メリットがある一方でデメリットもあります。
納期が長い
フルオーダースーツは、完成するまでに1〜2か月ほどかかります。パターンオーダー・イージーオーダーと比較すると長いため、この点はデメリットといえるでしょう。
しかし、この納期の長さはフルオーダースーツがサイズ・デザインに極限までこだわるが故です。多少時間はかかりますが、その分満足度の高いスーツに仕上がります。
費用がかかる
フルオーダースーツの値段は20万円以上であることがほとんどです。使用する生地や採用するデザインによっては、100万円ほどになることもあります。
他のオーダー方法よりも値段が高い理由は、型紙の作成を一から行い、お客さまの身体にフィットする世界にひとつだけのスーツを仕立てるからです。決して安い値段ではありませんが、その分理想通りのスーツに仕上がるでしょう。
対応できるお店が少ない
オーダースーツに対応しているお店は多くありますが、フルオーダースーツにまで対応しているお店はごくわずかです。その背景には、経験豊富なテーラーが少ないことが関係しています。
お店の選択肢が少ないと比較がなかなか難しいかもしれませんが、高い費用を支払うことを考えると、お店選びは慎重に行う必要があるといえるでしょう。
フルオーダースーツをオーダーする際のポイント
フルオーダースーツは、以下のポイントを押さえた上でオーダーするようにしましょう。
仕立てる目的を明確にする
まず、なぜスーツを仕立てるのかという目的を明確にすることが大切です。「どのようなシーンで着用するか」「どのように着こなしたいか」「どこにこだわりたいか」と細かくテーラーに伝えることで、スムーズに理想通りのスーツを仕立てられるでしょう。
経験が豊富なお店を選ぶ
フルオーダースーツは決して安価な買い物ではありません。後悔なく仕立てるためにも、経験が豊富なお店を選ぶことが大切です。「フルオーダースーツを作った実績はどれくらいか」「具体的にどのように仕立てていくのか」などを質問し、経験値を確認しましょう。
お店の得意なスタイルを知る
お店によって得意なスタイルは異なります。そのため、例えばイタリアンスタイルを得意とするお店でブリティッシュスタイルのスーツをオーダーすると、満足な仕上がりにならないことも。
こうした事態を防ぐためにも、お店の得意なスタイルと自分が希望するスタイルが合っているかは必ず確認するようにしましょう。
生地の種類や質に注目する
フルオーダースーツを仕立てる際は、生地の種類や質にもこだわりたいものです。仮に取り扱っている生地の種類が少なく、さらには質が低いお店を選んでしまうと、理想のスーツに仕上がらない可能性があります。そのため、フルオーダースーツを作る際は上質な生地を豊富に取り扱うお店を選ぶようにしましょう。
着ていく服装に気をつける
フルオーダースーツを作る際はまずお店で採寸を行いますが、このときの服装には注意が必要です。例えば、厚手の服を着てしまうと正確なデータを取れなくなってしまいます。これでは、身体にフィットするスーツに仕上がらないため、採寸当日は薄手の服を着用しましょう。
きちんと要望を伝える
スーツを仕立てる作業自体はテーラーが行いますが、仮縫い時の着心地を実際に感じられるのはお客さまですし、どのようなデザインにするかを決めるのもお客さまです。テーラーはその要望をもとにスーツを仕立てていくため、些細な要望でも伝えるようにしましょう。
完成時の試着に正直な意見をいう
「フルオーダースーツが完成したら、その後は意見や要望を伝えてはいけない」と思っている方もいらっしゃるかもしれません。しかし実際にはそのようなことはないため、気になるところがあれば正直に伝えましょう。再調整が可能な場合、対応してもらえることがあります。
まとめ
フルオーダースーツは、自分の身体に合ったシルエットであり、かつ自分好みのデザインを反映した、世界にひとつだけのオリジナルスーツです。特別なシーンで着用するスーツを一新する予定がある方は、今回ご紹介したポイントを参考にぜひフルオーダースーツを仕立ててみてください。
もし「フルオーダースーツの値段は予算の範囲外」という場合は、イージーオーダースーツがおすすめです。費用を抑えながらも細かい体型補正やバリエーション豊かなオプションによって、自分だけのオーダースーツを作ることができます。ぜひ検討してみてください。
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